Gurobiの開発チームはGPUの動向を注視していますが、現時点における各種のエビデンスは、GPUがLP/MIP/QPソルバーのニーズに対してあまり適していないと示しています。
- GPUは線形計画法(LP)の大部分を占めるスパース線形代数演算には向いていません。GPUは同時に何百、何千ものプロセッサを並列利用可能ですが、典型的な線形計画法に現れる、極端に疎な行列は、そのレベルの並列性を必要としません。
- GPUはSIMD命令を中心に構築されており、すべてのプロセッサが各サイクルで(データの異なる)同じ命令を実行します。並列MIPは探索木を分割しそれぞれを各プロセッサが処理します。この時、各ノードごとに必要とされる演算はそれぞれ大きく異なるため、SIMD命令は並列MIPのニーズにはあまり適していないと言えます。
Note: CPUもGPUも性能改善の手段として並列性を向上させています。Gurobiは、CPUのマルチコアを効果的に利用するように設計されているため、将来的には並列性の向上による恩恵を受けられることが期待されます。
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